
クサガメ(草亀・臭亀、Chinemys reevesii)は、爬虫綱カメ目イシガメ科クサガメ属に分類されるカメ。別名リーブスクサガメ、キンセンガメ、ゼニガメ(幼体)。
形態
最大甲長30センチメートル。オスよりもメスの方が大型になり、オスは最大甲長19.9センチメートル(正確な計測値がないが日本で甲長21センチメートルの発見例もあり)。日本の個体群は大型になるとされ、中華人民共和国の個体群はメスの最大甲長23.6センチメートル、オスの最大甲長14.6センチメートル。背甲はやや扁平で、上から見るとやや細長く角張った楕円形や俵型。椎甲板と肋甲板に3つずつ筋状の隆起(キール)があり、特に椎甲板のキールは顕著。背甲の色彩は主に褐色、灰褐色、暗褐色、黒。左右の喉甲板の間と左右の肛甲板の間に切れこみが入らない。背甲と腹甲の継ぎ目(橋)や腹甲の色彩は暗褐色や黒で、シーム周辺は薄灰褐色や黄褐色、薄黄緑色。
頭部はやや大型か非常に大型で、大型個体(特にメス)では頭部が巨大化(巨頭化)する個体もいる。吻端はやや突出し、上顎の先端は鉤状に尖ったり凹むことはない。咬合面は幅広いが、稜や突起はない。後頭部は細かい鱗で被われる。頭部の色彩は暗褐色や濃灰褐色、褐色、黒で、黄色や薄黄緑色の不規則な斑紋や斑点が入る。
若齢個体は背甲のシームが黄色い個体が多く、別名キンセンガメの由来になっている。オスの成体は虹彩も含めた全身が黒化(メラニスティック)し、斑紋が消失する。メスも成長に伴い体色が暗くなるが、斑紋が消失することはまれ。
生態
流れの緩やかな河川、湖、池沼、湿原、水たまり、水田などに生息する。昼行性だが、夏季は薄明薄暮性、夜行性傾向が強くなる個体もいる。日光浴を行うことを好む。陸づたいに水場を移動する個体もいる。
食性は雑食。大型個体は貝類や大型の甲殻類も噛み砕いて食べる。主に水中で採食を行う。
繁殖形態は卵生。オスは水中でメスの吻端に頭部や前肢を擦りよせるような行動で求愛し、メスが動きを止めオスを受け入れると交尾する。水辺から離れた地面を掘り、日本では6-8月に1回に1-14個の卵を1-3回に分けて産む。卵は2か月で孵化する。幼体は夏季から初秋にかけて地表に現れる個体もいるが、多くの幼体は孵化後に地中で越冬し翌年の春季に地表へ現れる。
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